嘔吐・下痢・便秘の場合

 

*ポイント(嘔吐)*

まず、知っていて欲しいのは、赤ちゃんはとても吐きやすいという事です。
病気かどうかは吐いた時の様子をしっかり観察する事。
とくに、冬の風邪は吐きやすいという事を知っておきましょう。

赤ちゃんの体はとても吐きやすい!
赤ちゃんの胃は縦型でくびれがなく、体に対してまっすぐです。
だからおっぱいやミルクと一緒に飲みこんだ空気が出ていく時に吐く事があります。
胃の中にためておける量は、生まれたばかりのあかちゃんだと10ccくらい。
一度にたくさんは飲めない仕組みになっています。

病気かどうかは吐き方に注意しましょう。
たらたら吐く→おっぱいやミルクを飲ませた後、
寝かせていた赤ちゃんが、口の端からたらたらと吐いている事があります。
空気を上手く出せなくて、いっしょに吐いてしまっているのです。
体重が増えている、機嫌がいいのなら心配ありません。
ガボッと吐く→飲んだもの・食べたものをそのまま吐いてしまいます。
激しく泣いたり、咳き込んで吐く場合はこんな吐き方。
また、授乳の再に空気をいっしょに飲み込んで、げっぷが十分に出てないとき、
げっぷと一緒に吐く事も。
他に、病気の始まりに吐く場合もあります。
噴水のように吐く→授乳の後、しばらくして噴水のように勢いよく吐きます。
この場合、病気の可能性が考えられます。(
肥厚性幽門狭窄症
栄養が取れないので、体重が増えません。
おっぱいやミルクを飲むたびにこのように吐く時は、
病院で診察を受けてください。
ただ、体重がきちんと増えていると言う事であれば、安心していいでしょう。
体重は大事な目安です。

*ポイント(下痢・便秘)*

赤ちゃんの下痢のほとんどはウイルスや細菌感染によるものです。
大腸菌などに感染すると、大腸で水分の再吸収ができなくなってしまい、
水っぽいウンチがでてきます。
うんちの形・色・量・回数は健康状態を知る大切な手がかりです。

うんちの状態をしっかり観察。
柔らかいというだけでなく、水のよう・白っぽい・粘液が混じっている・血が混じってる・
酸っぱい匂いがする・腐ったような匂いがあるという場合は、病気によるもの。
心配な時は、うんちのついたオムツを持って、できるだけ早く受診してください。

下痢のほかに症状は?
発熱・嘔吐・発疹・ぐったりして元気がない・唇が乾いている(脱水症)等の時は心配。
下痢でウンチが水様で白っぽい時には、ロタウイルスによる下痢症の疑いがあります。
すぐに病院へ。

便秘の場合は?
2〜3日出なくても、苦しむことなくすんなり大量にウンチが出るのであれば、
それは便秘ではありません。
ウンチが硬いだけではなく、
なかなか出ない・出ても肛門に傷が出来て出血するような排便困難、
またウンチが全くでない場合を便秘と言います。
だから、最初の例とは逆に、毎日出ても少量で、出すのに苦労するのであれば、
便秘といえます。

 

*おうちでのケア(嘔吐)*

・まずは・・・
吐いたものが気道に詰まらないように、顔を横向きにしてあげます。
嘔吐は赤ちゃんや子供にとって、体に負担もかかるし、
吐いた事で、とてもビックリしているものです。
吐いた後は、ママが抱っこしてあげたり、そばで話しかけたりして、
安心させてあげましょう。
たびたび吐く様であれば、寝ている子供の頭の下に、
大きなバスタオルを半分くらいに折って、敷いておくと、
布団やシーツまでは汚れず、ママもよけいな事でやきもきせず、安心でしょう。

・水分補給
一日に何回も吐く場合、体の中から、大量の水分が失われる為、脱水症状が心配です。
水分補給をしっかりしましょう。
赤ちゃん用のイオン飲料もいいですが、すぐに無い時には湯冷ましでも全然大丈夫。
少しづつ、こまめに飲ませてください。
柑橘系のジュースなどは刺激になって、よけい吐いてしまうので、注意。

・食事
乳児の場合、おっぱいを欲しがるだけ飲ませてあげましょう。
水分がたくさん含まれているので、
おっぱいを飲んでる間は水分補給の心配はしなくても大丈夫。
ミルクの場合は、2〜3倍に薄めたものに替えた方がいい事があります。
離乳食が始まったばかりの子は、しばらく離乳食をお休みします。
完全食の子供は、欲しがる様であれば、
胃に負担のかからないものを、少量づつ様子を見ながら食べさせましょう。

*おうちでのケア(下痢・便秘)*

・水分補給
下痢の場合水分を取ると、
よけい下痢になってしまうのではないかと思うママもいるでしょうが、
その場合も、水分が大量に失われる為に、水分補給はとても大切です。
ママが積極的に水分をとらせるように心がけましょう。

・食事
おっぱいの場合は、欲しがるだけ飲ませてください。
ミルクの場合は、湯冷ましやベビー用イオン飲料や薄めたミルクなど。
これは、お医者さんの指示にしたがってください。
離乳食の始まっている子は、1つ前の段階に戻してあげましょう。
アイスクリーム、脂肪の多い肉や魚などはさけましょう。
りんごはウンチに影響しないので、
すりおろしたりんごを食べさせたり、ジュースにして飲ませてあげるのもいいでしょう。
便秘の時も、りんごはいいようです。

・おしりのただれに注意。
下痢が続くと、どうしてもおしりが赤くなりただれやすくなります。
お風呂で洗ってあげるのが無理なら、
洗面器にお湯をはって、お尻だけ洗ってあげたり、
紙オムツを下にひいた状態で、開き容器にお湯を入れ、流してあげたりすると、
お尻のただれは防げます。
お尻ふきは、肌が荒れる事があるので、下痢の時は使わないほうがいいでしょう。
また、お尻を洗った後、急いでオムツをつけようと焦ってしまい、
充分に水分がふき取れてないと、それが原因でお尻がただれる事も。
水分をよくふき取り、乾かしてあげてください。

 

<ココで紹介している病気>

腸重積症  肥厚性幽門狭窄症
頭部打撲による嘔吐  風邪症候群
白色便性下痢症(ロタウイルス性
 
食中毒  便秘

<これ以外の嘔吐・下痢・便秘の伴う主な病気>

突発性発疹症

 

*腸重積症(ちょうじゅうせきしょう)

特徴 突然何かの理由で、腸の一部が重なり合い、
どんどん肛門の方へ入ってきてしまう病気。
中の腸は締めつけられ、血液の流れが遮断される。
放っておくと、腹膜炎を起こして命にかかわる事も。
症状と経過 突然症状が現れるので、ビックリするかもしれません。
急に火のついたように激しく泣き始めます
この時、嘔吐を伴う事もあります。
足を縮めてお腹につけるような格好で泣きます。
それからしばらくは、何もなかったようにけろりとしているのに、
再び泣き始める、これを
5〜10分間隔で繰り返します
腸が重なり合っている部分が締めつけられるので、
かなりの痛みがあります。
腸の動きが止まると泣き止み、また動き出すと泣くのです。
顔色は青ざめてぐったりとし、嘔吐のほかに、
トマトケチャップやイチゴゼリー状の血便が出る事もあります。
この病気が疑われると、病院では診断と治療を兼ねて、
高圧浣腸を行います。
腸が入りこんでから12時間程度なら、これで治ることがほとんど。
24時間以上たってしまうと、
もぐりこんだ腸の組織が死んでしまうことがあります。
高圧浣腸で治らなければ、手術を行う事もあります。
時間が経過するほど、命にかかわる率が高くなりますので、
おかしいと思ったら、様子をみずに、
夜中でもすぐに病院へいきましょう。
ケアと注意 再発する事があるそうです。
似たような症状が出た場合、すぐに病院へ診察にいきましょう。
この病気のきちんとした原因はわかっていないそうです。
ウチの子は? かかった事がないです。

 

*肥厚性幽門狭窄症(ひこうせいゆうもんきょうさくしょう)

特徴 生まれつき、胃の出口が厚くなっていて、
おっぱいが腸へ流れない為に、
噴水の様に吐きます
症状と経過 生後1〜2ヶ月頃に、おっぱいやミルクを飲んですぐ、
噴水状に吐いてしまう事で疑われます。
生まれた直後は症状が出ず、検査をしても見つからない事が多いので、
2週間くらいたってからわかります。
おっぱいやミルクを大量に吐く為、
栄養が不足し、便もでません
体重が増えず、段々やせてきます。
栄養が足りず、吐いた後でもすぐにおっぱいやミルクを欲しがります。
ケアと注意 超音波で肥厚している事がわかれば、
早めに手術を行います。
厚くなっているユウ文部の筋肉に切れ目を入れるもので、
比較的安全な手術です。
1回の手術で治る事がほとんどですが、
手術後すぐに吐き気が止まるというわけではなく、
少しづつ治まっていき、飲む量がだんだん増えていきます。
授乳のたびに吐く場合でも、
体重が増えていれば、
この病気ではありません。
ウチの子は? かかった事がないです。

 

*頭部打撲による嘔吐(とうぶだぼくによるおうと)

特徴 頭を打った後に、嘔吐が始まります。
頭を打った後、大声で泣いてママにしがみつく様なら、
比較的安心ですが、
昼間頭を打ち、夜になってから顔色が青ざめて嘔吐したり、
意識がなくなってきた、ひきつけを起こした時は、心配です。
脳の中に出血を起こしている可能性があり、
そのせいで吐いているかもしれないのです。
症状と経過 頭を強く打った際、
脳の中で出血が起こり、それが原因で嘔吐する。
意識がなくなったり、ひきつけをおこすことも。
ケアと注意 体を動かさない様にして、すぐに救急車をよびます。
脳内出血が見つかれば、手術が必要となります。
これは、病気ではないかなぁと思ったのですが、載せてみました。
頭を打つ事故は、バランスが悪い赤ちゃんなら、
たくさん起こるものです。
ママの注意と工夫で、事故を防ぐ様に心がけましょう。
ウチの子は? ハル君が、1歳半の頃、
保育園でちょっとふらつき、
トイレの水タンクで頭を打った事がありました。
なんだか様子もおかしかったのもあり、
先生が病院へつれていってくれました。
すぐに私達も向かったのですが、
診察を受けて帰る途中の車の中で嘔吐・ひきつけ。
これはかなり焦りました。
すぐにユーターンして病院へ。
脳外科専門の大きい病院だったので、
すぐに脳内を調べ、異常無しとの診断が出た時は、ホッとしました。
熱もあった為、熱性けいれんだろうとの事でした。
様子を見る為、その日は病院で泊まりました。
その後、双子が生まれた大学病院でも診察を受け、
そこでも異常なし。よかったです。でも、かなり焦りました。

 

*風邪症候群(かぜしょうこうぐん)

特徴 ウィルスに感染して起こる病気です。
風邪は発熱で始まる事が多いのですが、ウィルスによっては、
下痢を伴うものがあります。
夏風邪で多いのは、
コクサッキーA軍ウィルスによる、
ヘルパンギーナ
インフルエンザウィルスの種類によっては、激しい下痢を伴います。
下記の
白色便性下痢症は、下痢と嘔吐が主な症状で、
冬の代表的な風邪の1つです。
症状と経過 ヘルパンギーナの症状は、
高熱・のどのボツボツ、そして下痢をする事が多い夏風邪です。
冬の風邪も下痢を伴う事が多いです。
下痢をすると体の水分が一気に失われ、脱水症状に陥る事があります。
ケアと注意 ウィルスによる風邪の場合は、
病気の症状を和らげる薬を使います。
症状が軽ければ、自然に経過するのを待ちます。
発熱していると、おふろに入れない為に、
下痢でお尻がただれやすいので、
オムツを取り替える時は、お湯で洗ってあげましょう。
特に、脱水症状に注意が必要な為、
水分補給には充分気をつけましょう。
ウチの子は? 特にこの病気と言われた事はないのですが、
下痢症の風邪と診断された事は多々あります。
点滴打つほど、ひどくなった事は、ないです。

 

*白色便性下痢症(ロタウイルス性)(はくしょくべんせいげりしょう)

特徴 11月〜3月にかけての、寒くて乾燥した時期にかかりやすい、
ロタウィルスに感染して起こる病気です。
潜伏期間は1〜3日。
まれにアデノウィルスが原因の時もあります。
軽い発熱・嘔吐・そして、白っぽい米のとぎ汁のようなウンチが特徴。
ウンチの色が白くなる事から、この病名がついてますが、
乳児嘔吐下痢症・仮性小児コレラとも呼ばれていました。
症状と経過 最初は突然の嘔吐から始まり、続いて下痢が始まるパターンが多い。
嘔吐は、半日程度で治まる事もあれば、1〜2日続く事もあります。
下痢は次第に激しくなり、
米のとぎ汁のような白い水様便がシャーシャー出る事も。
回数も多く、一日に何回も出ます。
ケアと注意 嘔吐を伴い、下痢が続くので、
脱水症状の予防が第一です。
時には入院して、体から失われる水分を点滴で補給する事もあります。
吐き気がひどい時は、食事を止めて水分だけにしたり、
吐き気止めをつかったりします。
下痢を止める薬は使わないようです。
下痢は4〜5日程度から、1週間ほどで治まってくるようです。
ウチの子は? 特別、ロタウィルスによる風邪と診断された事はありませんが、
嘔吐下痢症と言われた事は何度もあります。
特にユウ君は、普通の風邪でも吐く事が多いので、驚きます。
ウチの子の場合、吐いても食欲はある事がほとんど。
吐いた場合は、食事はとらなくてもいいよと
お医者さんに言われるのに、お腹空いたとうるさいくらい言う為、
普通にあげてます。
で、たくさん食べます。(爆)
白っぽい柔らかいウンチがでた事はありますが、
シャーシャーと流れるようなウンチはまだ経験がありません。

 

*食中毒(しょくちゅうどく)

特徴 細菌の付いた食べ物が原因で、
症状の程度は細菌によってさまざまで、
急性の胃腸炎の一種です。
サルモネラ菌、病原性大腸菌、ボツリヌス菌、ブドウ球菌、
腸炎ビブリオ菌などの細菌が着いた食べ物から感染したり、
家族の手についていた細菌が原因で発症。
食欲がなくなって、下痢や嘔吐が起こり、発熱を伴う事も。
胃炎を起こせば、食欲不振で嘔吐。
腸炎を起こせば、腹痛と下痢になります。
症状と経過 ウンチから細菌が見つかれば、抗生物質を服用します。
離乳食はしっかりと火を通して食べさせ、
食中毒は、
夏よりも秋にかけて多いことを頭に入れておきましょう。
大体は、5〜6日程度で症状は軽くなります。
お医者さんの診察を受け、食事などにも気をつけましょう。
ママの手の傷から細菌がうつる事もあるので、
料理の前には、しっかり手を洗いましょう。
ケアと注意 下痢や嘔吐は、体の水分を急激に奪う為、
水分補給に気をつけます。
食欲が落ちても、水分は少量づつ回数を多く与えます。
水分もとらない場合は、点滴で補う事も。
どちらにしろ、原因になる細菌によって対処方法も違う為、
お医者さんの言われる事をしっかり守りましょう。
ウチの子は? あるような、ないような。
子供って、いろんなものを口に入れるじゃないですか。
風邪かなぁ。と思ってたものの中にも、
もしかしたら、食中毒だったってのが、あるかもしれません。

 

*便秘(べんぴ)

特徴 便が大腸に長くとどまっている間に、
水分を吸収されて硬くなり、出しにくくなった状態を言います。
3〜4日に一度でも、
苦しがらずにたっぷり出るときは、便秘ではありません
逆に、毎日出ていても、
硬い便が少しづつしか出ず、苦しがる時は、便秘です。
症状と経過 便がコロコロしていて、出す時にいきんで苦しそうにします。
排便の時に肛門が切れてしまう事もあります。
ウンチをする度に痛いと、赤ちゃんはそれを覚えてしまい、
ウンチがしたくなっても「また痛いかも。」と、
我慢してしまう事があります。
こうなると、たまったウンチがさらに硬くなり、
もっとひどい便秘になってしまう事も。
ケアと注意 お腹が痛そうであれば、ママが優しくなでてあげます。
プルーンやみかん、バナナなどの色々な種類の果汁を飲ませたり、
マルツエキスを与えてみます。
離乳食が始まっているのなら、
寒天・海草・納豆・野菜など、繊維質の多い食べ物を選んで下さい。
綿棒浣腸も有効です。
オリーブオイル等をしみこませて、肛門を刺激してみましょう。
どうしても出ないときは、いちじく浣腸を使います。
習慣になる事はないそうですが、医師の指示に従って、
使うようにしましょう。
ウチの子は? さぁちゃんが、便秘気味です。
ウンチの時に、痛そうにして、我慢してしまう事もあります。
明らかに、ウンチがしたいんだなぁとわかった時は、
背中の方から足を抱え込み、お腹を圧迫するような格好で、
ウンチが出るまで頑張れぇ、頑張れぇと励ましつづけます。
大人顔負けのすごいウンチが出る事もあり、
ちょっとかわいそう・・・。
ただ、全くでない状態になった事はないので、
特別に治療を受けた事はありません。


病気についてメニューへ